訪問看護に興味があるけれど、こんな疑問を持っている方はいませんか。

訪問看護に興味があるけれど、経験は必須?
訪問看護師に必要な特別なスキルってあるの?

こちらの記事では、訪問看護師になるために必要な資格やスキルについて分かりやすく解説します。
総務省統計局の「高齢人口及び割合の推移」によると総人口に占める65歳以上の高齢者は約35.3%に達すると見込まれています。

総務省統計局のHpより引用
国民の約6割が在宅での療養を希望しているといわれており、今後も訪問看護師の需要は高まっていくでしょう。今後需要が高まることが予想される訪問看護について知ることで、看護師の働く職場の一つの候補として加えてみてはいかがでしょうか。
実際、私も訪問看護未経験で初めて現在は6年目。訪問看護師になった当初は病院やクリニックとの働き方の違いに戸惑いもありましたが、現在はやりがいを感じています。今も訪問看護師として働く私が感じる、訪問看護師に必要なスキルや経験について解説しました。
訪問看護に少しでも興味のある看護師方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の結論
訪問看護師とは
訪問看護師は医師の指示のもと利用者のご自宅にお伺いし、安心して在宅療養が継続できるよう支援します。具体的な支援内容としては、
訪問看護の魅力は提供時間の全てを目の前にいる利用者に注力できるところです。利用者が安心して在宅生活を送れるよう利用者の意思を尊重しながら関わります。利用者の話をじっくり傾聴しながら生活状況を把握するとともに、利用者自身の精神的なケアや家族のケアも行います。
在宅療養を支えるのは訪問看護師だけではありません。介護士やケアマネージャー・主治医などの多職種との関わりも非常に重要で、必要に応じて連携を取りながら利用者の在宅生活を支えます。
訪問看護師に必要な資格と経験
訪問看護師になるための必要な資格や、持ち合わせておくと良い経験について解説します。訪問看護ステーションによって求める資格や経験は若干異なることがありますので、事前に確認することをお勧めします。
正看護師の国家資格が必要
他に特別な資格は必要なく、事業所によっては採用事項に臨床経験年数を提示している場合や新卒の採用を積極的に行なっているところもあります。准看護師の資格しかない場合でも訪問看護ステーションによっては働ける場合がありますので募集要項を確認したうえで転職活動をするのが良いでしょう。
病院での臨床経験
訪問看護師は基本看護師1人で利用者宅にお伺いします。病院に比べると急変時の対応を求められることは少ないものの、急変時に遭遇する場合も少なからずあり、その場合は病院での臨床経験が役立ちます。また病院での臨床経験を活かしつつ、限られた医療資材や利用者のご自宅にあるものを活用して看護技術を提供することも多いです。
そのため、病院での臨床経験は必須ではありませんが、経験が浅い場合は新卒を積極的に採用している事業所や教育フォロー体制が整っている事業所を選ぶとよりスムーズに業務に取り組めるでしょう。
運転免許証が必須の場合もあり
事業所のほとんどは訪問範囲を定めているところが多く、その訪問範囲によっては車の運転免許証が必須の場合もあります。

私も普段は軽自動車を使用して利用者宅に訪問しています。利用者宅に駐車場がある場合は駐車場に止めさせていただきますが、近隣道路に路上駐車することも多いです。(もちろん、警察より駐車許可証ももらっています。)
ただし、車ではなくバイクでの訪問を行なっているところや自転車を訪問手段として利用しているところも少なからずあるようです。運転に不安がある場合は事前に訪問手段の確認をしておきましょう。
訪問看護に求められるスキル
病棟の看護師と訪問看護師、求められるスキルに違いがあるのでしょうか?。
病院勤務で必要な看護技術の他に
・アセスメントスキル
・コミュニケーションスキル
・臨機応変な対応力
が大切です。
なぜなら、病院と在宅では対象になる利用者の年齢層や使用利用できる医療機器・看護を提供する場所に違いがあるためです。ここでは、訪問看護師に求められるスキルについて詳しく解説します。
幅広い医療処置スキル
訪問看護師は幅広い医療処置スキルが必要です。病棟では担当の科によって疾患が限定される場合もありますが、訪問看護は小児から高齢者まで幅広い年齢層が対象で、その方々が抱える疾患もステージも多種多様です。
また病院のように設備が整っているとは限らないため、利用者のご自宅在宅にあるもので代用したり、より利用者の状態に合った方法を検討する必要があります。

幅広いスキルと言っても、基本的な看護技術があれば大丈夫!
服薬や排せつ支援などの看護
訪問看護で関わることが多いのが薬の内服管理や排せつ介助です。内服管理は利用者が行っていた今までの管理方法を尊重しつつ、利用者に合う適切な方法を検討します。
・カレンダーやボックスセット
・残薬確認
・訪問した日の分を内服介助するなど
さまざまな方法があり、利用者に合った方法を選択することが大切です。訪問薬局が関わっている場合もあるため、その際は訪問薬局の方とも情報を共有する必要があります。
排せつ支援に関しては、週に何回排便コントロールするのかは利用者によって異なります。デイサービスの曜日やご家族の予定を確認しながら訪問する曜日や時間を設定します。なるべく利用者の苦痛が少なくなく排便コントロールができるよう訪問前日に下剤の内服をお願いする場合もあるので、体の状態に合わせて対応しましょう。
多面的に観察できるアセスメントスキル
訪問看護師に必要なスキルの一つにアセスメント能力が挙げられます。具体的には3つの視点からアセスメントします。
- 身体状況の把握:バイタルサインの変化や全身状態の状態観察を行ないます。
- 生活状況の把握:睡眠・食事内容など日常生活が安心して送れているか確認します。
- 精神状態の把握:身だしなみの様子や表情から精神状態を把握します。
上記の3つの視点に加え、ご家族の介護負担が大きくなっていないかも合わせて確認します。
このように、限られた時間のなかで多面的に利用者とその家族の状態を把握することが必要なため、訪問看護では高いアセスメントスキルが求められます。
コミュニケーションスキル
訪問看護においてコミュニケーションスキルは非常に大切なスキルの1つです。認知能力の程度やご家族との関係・今までの人生観などのさまざまな背景は会話を通して知ることができるからです。さらに表情やしぐさなどに変化がないか、言葉以外にも注目しながらコミュニケーションを取ります。
訪問看護の利用者は高齢の方が幅広い年齢層の方が対象です。年齢に関わらず、敬意を払った口調と態度が大切です。住み慣れた環境で安心して過ごせるよう些細な変化に留意しながら相手を理解し関わることが大切になります。
臨機応変な対応力
訪問看護では臨機追応変な対応力が求められます。なぜなら、訪問看護は基本的に看護師1人で訪問するため、訪問時に予期せぬ状況が起きた場合1人で対処しなければならないからです。
また利用者の住環境はさまざまで医療機関のように物品が整っていないことも多いのが現状です。
日々の関わりを通してどんなことが予測できるのか考えながら行動していると不測の事態が起きてもスムーズに対処できるでしょう。
まとめ
訪問看護に必要な経験とスキルについて解説しました。
病院での臨床経験はなくても、利用者とじっくり会話ができるのが訪問看護の魅力です。
また、臨機応変な対応力も日々の訪問しながら学んでいくことも多く、日々の関わりが大切。
やりがいが感じられる職場なので、ぜひ訪問看護に興味のある方は訪問看護ステーションの見学に行ってみましょう。
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